河合隼雄著

新装版 臨床心理学ノート

四六判 222頁 定価(本体2,000円+税) 2017年8月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1568-2

 「『臨床心理学は学問であるか』,『臨床心理学は科学であるか』,このことは,私がこの道に進んで以来,常に考え続けていたことである。しかし,他方,そんなことよりも何よりも,今,自分の目の前で悩んでいる人,苦しんでいる人に,何らかの意味で役立つことをしたい,という気持ちも強かった」――本書は,多彩な顔を持つ著者の,一臨床家としての実際的にして実践的な論考をまとめたものである。
 臨床心理学というフィールドは,医療から,教育,産業,社会福祉,司法・矯正・警察などとさまざまな領域に,ここ十数年で飛躍的に広がっている。それに応ずるかのように,「臨床」という言葉もより大きな意味をもって捉えられ,臨床哲学,臨床教育学,臨床社会学など,学際的領域が広がりつつある。そうした広がりは,理論と実践の乖離を推し進めてしまった「科学」の思考法自体を変えていこうとさえしている。
 「遅れた学問」として出発した臨床心理学を,実践と理論が結びついた世界として確立した著者により書かれたこの〈ノート〉をひもとけば,「臨床」の本質を掴むことができるだろう。

おもな目次


第1章 見たて・援助・その考え方
第2章 臨床心理学の理論
第3章 臨床心理学の研究法
第4章 事例研究の意義
第5章 因果的思考と非因果的思考
第6章 心の構造
第7章 心理テストの使用
第8章 心理療法におけるアドバイス
第9章 家族への対応
第10章 心理療法と笑い
第11章 心理療法における怒り
第12章 心理療法の終結
第13章 心理療法の発展

終章