The Invasion from Mars;A Study in the Psychology of Panic

ハドリー・キャントリル著/アルバート・H・キャントリル解説/高橋祥友訳

火星からの侵略
パニックの心理学的研究

四六判 250頁 定価(本体2,200円+税) 2017年11月刊


 
 

ISBN978-4-7724-1585-7

 一九三八年のハロウィーンの晩に、名優オーソン・ウェルズはマーキュリー劇場というラジオ番組で、H・G・ウェルズの空想小説『宇宙戦争』を基にラジオドラマを実にありありと、いかにも現実の出来事のように放送した。その結果、少なくとも百万人の米国人が恐怖に駆られ、数千人がパニックに陥った。本書で報告する研究は、この放送直後に開始されて、何が集団行動の主な心理的理由と考えられるかを探るために、人々の反応について調査した。……(本書序文より)
 地震,テロ事件など大規模災害では,流言飛語をどのようにコントロールするかがつねに大きな課題となる。パニック発生時のコミュニケーションや集団行動に興味のある人々にとって、本書は今も価値がある。
現在は,核弾頭を積んだ大陸間ミサイルが存在し,その巨大な破壊力に対して,火星人の侵略よりも遙かに強い妄想が人々に生じる可能性がある。またヨーロッパへの難民流入への極端な報道により,人々に行き過ぎた不安とパニックを引き起こす下地は今なお存在している。
 80年前の歴史上有名なこの事件について書かれた本書は,現代にも起こりうる,パニック状況における伝染性のある恐怖の人間心理を詳細に分析したものといえよう。

おもな目次

新版の序(アルバート・H・キャントリル)
1966年版の序(ハドリー・キャントリル)
1940年版の序(ハドリー・キャントリル)
第1章 放送(台本 ハワード・コッチ)
「とても信じられなかった」
第2章 パニックの性質と範囲
「何か恐ろしかった」
第3章 その刺激をどう経験したのか
「ラジオ劇のようには感じられなかった」
第4章 どのような反応が起きたのか
「何かをしなければならない」
第5章 批判力
「わかった」
第6章 批判力を妨げる条件
「とても心配だった」」
第7章 歴史的状況
「問題の多い世界に存在していること
第8章 個別の事例
「個人的背景」
第9章 なぜパニックが生じたのか?
「不安が現実となった」
付録A その他の情報 恐怖が自動車の運転に及ぼした影響 社会科学者による予測/付録B 面接法/付録C 表
訳者あとがき