中村美奈子著
復職支援ハンドブック
休職を成長につなげよう
A5判 120頁 定価(本体2,400円+税) 2017年11月刊
ISBN978-4-7724-1592-7
復職支援に関するこれまでの本は,医療リワーク施設の概要を紹介したり,人事担当者向けの手続きの流れを紹介するもの,リワークの中での認知行動療法の使い方を解説する,という本が中心だった。
それに対して,本書では,「Bio(セルフマネジメント機能)-Psycho(心理的機能)-Social(社会的機能)-Vocational(職業的機能)」の視点から,体調管理・自己理解・コミュニケーション・業務遂行能力といった,働くのに必要な能力をつけるための具体的なリワークプログラムを,復職へ向かうステップ全体を俯瞰しながら提示している。
まずは復職を目指すために考えなければならない項目は何か?をはっきりさせ,復職に向かって自分で実践できるプログラムなので,休職者の本人も,周りでサポートをする方にも読んでいただきたい一冊である。
おもな目次
はじめに
第1章 復職を目指す
- T 復職までのステップ
- U 働くための能力を回復する「Bio-Psycho-Social-Vocational」モデル
第2章 リワークプログラム@ プログラムを始める
- T リワークプログラムを始める前に確認すること
- U 現状把握と休職原因の分析
- V 復職要件を確認する
- W 復職計画を立てる
第3章 リワークプログラムA 「ComPs-CBT」による自己理解と再発予防
- T 休職原因に関わる認知行動パターン
- U 認知行動パターンの分析
- V 「自分のシステム図」を書く
- W 再発予防策の検討
- X 「ComPs-CBT」の注意点
第4章 リワークプログラムB コミュニケーションと問題解決
- T 業務遂行や問題解決のためのコミュニケーション
- U コミュニケーションによるPDCAサイクル
- V 「対人関係図」で対人関係をコントロールする
- W 相談マネジメント図
第5章 リワークプログラムC 働く感覚を取り戻す
- T 組織で働く:チームワークと役割行動
- U リワーク施設で行う「マルチタスクプログラム」とは
- V 「マルチタスクプログラム」の実施方法
- W 「マルチタスクプログラム」の有効性
- X 「マルチタスクプログラム」の注意点
- Y 個人で行う「マルチタスクプログラム」:「ひとりマルチタスクプログラム」実施例
第6章 リワークプログラムD 復職準備の総仕上げ
- T 復職面談の準備
- U 「リワーク活動報告書」の作成
第7章 事例
- T うつ病による休職者の事例
- U パーソナリティ障害が疑われた適応障害による休職者の事例
- V 発達障害の傾向がある身体表現性障害による休職者の事例
文献
さいごに