Narrative Therapy Classics

マイケル・ホワイト著/小森康永訳

ナラティヴ・セラピー・クラシックス
脱構築とセラピー

四六判 324頁 定価(本体3,400円+税) 2018年4月刊



ISBN978-4-7724-1617-7

 知/権力の体制と関係の政治学において,ないがしろにされてきた人々の経験,話す機会がなかった事実,言及できなかった過去を言葉にする空間をクライアントとともに創り出す。文化人類学,社会学の知見を取り込み,社会的差異と歴史性の省察を旨とするその独創的セラピーは,オーストラリアから世界中に広がり,セラピーの慣習的概念を変容させ,精神病の理解を作り直し,悲嘆への新しい対処法を提供し,精神医学知識のヘゲモニーに挑戦し続けている。創始者マイケル・ホワイトが遺した数多のテクスト/インタビューより厳選,「ナラティヴ・セラピー」の思想=実践の核となる珠玉の8篇。

 […]私が脱構築と呼ぶ治療実践は,人々が自らの人生や他者の人生を荒廃させると判断した人生と思考の様式から,当人が分離するのを援助する。そして,それはセラピストおよびセラピーを求める人々のなかに,好奇心をかき立てる。[…]単なる好奇心ではない。それは,ものごとはほかにどんなふうになり得るのだろうかという好奇心であり,人々が人生について抱いている集約されたストーリーの外側にあるもの,自己と関係性の支配的な実践の外側にあるものについての好奇心なのである。[本書より]

おもな目次

序|キャロライン・マーキー
第1章|脱構築とセラピー
第2章|精神病的経験と言説―ケン・スチュワートによるインタビュー
第3章|もう一度こんにちわと言う―悲嘆の解決における失われた関係の取り込み
第4章|リ・メンバリング
第5章|子ども,トラウマ,そして従属的ストーリーライン展開
第6章|ナラティヴ・プラクティスとアイデンティティ結論の解明
第7章|コラボレーションを育む―親と子のあいだ,児童保護機関と家族のあいだ―デイヴィッド・デンボロウによるインタビュー
第8章|倫理と表層スピリチュアリティ―マイケル・ホイトとジーン・コムによるインタビュー