B・W・ウォルシュ著/松本俊彦監訳/松本俊彦,渋谷繭子訳

自傷行為治療ガイド(第2版)

B5判 376頁 定価(本体4,200円+税) 2018年6月刊



ISBN978-4-7724-1621-4

 今日,増加傾向にある自傷行為は,教育現場や医療現場でますます重要視され,治療法が広く必要とされている。
 本書では,リネハンの弁証法的行動療法(Dialectical Behavioral Therapy: DBT)を踏まえた具体的な治療論が展開されている。自傷行為の定義からはじまり,初回面接,アセスメント,認知(行動)療法,家族療法,薬物療法や,トラウマ被害を持つ自傷者に対する持続曝露療法(Prolonged Exposure Treatment: PET),認知再構成(Cognitive Restructuring: CR)までがより詳細にマニュアル化した形で書かれており,また,伝染の問題,学校における自傷,矯正施設における自傷などの個別の論題も本書の特徴の一つである。臨床の合間に必要な項目のみ参照して活用でき,初学者のみならず,中級者にも自傷臨床への有益な着想が得られるだろう。
 第2版からは新たに八つの章が加えられ,すべての章が更新されている。また,本版で採用されている「段階的ケアモデル」は個々のクライエントのニーズと具体的な介入方法を合致させ,最適な治療を臨床家とクライエントが決定するために役立つ。
 巻末に付された「呼吸法マニュアル」も実践的であり,自傷関連サイトの紹介,権利章典なども自傷者自身の心の風景を反映しており,興味深い。
 本書は,自傷行為に関するあらゆるトピックを現代的な水準で網羅し,豊富な実証的知見・臨床経験を基に,治療法をすぐに現場で生かせるよう解説した,自傷治療の臨床に携わるすべての人々にとって必読の包括的治療ガイドである。

序論
日本語版(第1版)への序文
謝辞
著者について
第T部 自傷の定義と背景

  • 第1章 自傷の定義と自殺との鑑別
  • 第2章 自傷と自殺の関係
  • 第3章 直接的/間接的に自分を傷つける行為の概観
  • 第4章 自傷がよくみられる集団
  • 第5章 ボディピアッシング,タトゥ,ブランディング,スカリフィケーション,およびその他の様式の身体改造
  • 第6章 自傷行為の生物−心理−社会学的モデル

第U部 アセスメントと治療―段階的ケアモデル

治療:第1ステップ

  • 第7章 治療初期の対応
  • 第8章 自傷のアセスメント
  • 第9章 認知と行動のアセスメント
  • 第10章 随伴性マネジメント

治療:第2ステップ

  • 第11章 置換スキルトレーニング
  • 第12章 認知療法
  • 第13章 家族療法
  • 第14章 薬物療法

治療:第3ステップ

  • 第15章 身体イメージへのとりくみ
  • 第16章 PTSDに関連する自傷の治療―持続曝露と認知再構成

治療:第4ステップ

  • 第17章 複数の自傷行動を呈する者の治療
  • 第18章 青年期の自傷・自殺行動をターゲットとした入所治療

第V部 特殊な主題

  • 第19章 自傷に対する反応のマネジメント―セラピストや他の援助者のためのガイド
  • 第20章 伝染と自傷
  • 第21章 学校セッティングにおける自傷に対処するためのプロトコル
  • 第22章 窒息という危険行動(「首絞めゲーム」)
  • 第23章 異物飲み込みの理解,マネジメント,治療
  • 第24章 矯正施設における自傷
  • 第25章 重篤な自傷行為の治療

附録

  •  A 呼吸法マニュアル
  •  B BAS尺度(Body Attitude Scale:身体態度尺度)
  •  C 自傷をアセスメントするための臨床的尺度(FASM/ABUSI)
  •  D 役に立つ自傷関連のウェブサイト
  •  E 自傷する人たちのための権利章典

第1版 訳者あとがき
第2版 監訳者あとがき