永尾雄二郎,C・ハーディング,生田 孝著

続・仏教精神分析
フロイトの心、親鸞の心

四六判 288頁 定価(本体3,400円+税) 2018年10月刊



ISBN978-4-7724-1652-8

 前著『仏教精神分析―古澤平作先生を語る』(2016)に続き、本書においても、古澤の高弟であった永尾によって、近代の精神療法と仏教との関連(特に親鸞の心、フロイトの心、念仏、内観など)について多くのテーマが語られることで“古澤平作“の素顔が明らかにされる。
 驚くべきことに古澤平作は晩年、自由連想とともに念仏を称えるようにと説いていた。そして、人間の計らいを一切なくし、無作為に「ありのまま」をいただく姿勢にこそ治療としての重きを置いていた。
人生そのものの解決としての「阿闍世コンプレックス」の克服、臨床場面における直感・直観やコンパッション、スピリチュアリティ(日本的霊性)、外と内の中間相で自然に物事が成立する中動態の世界、といった近代精神療法にも通じる概念などが、仏教に通底する多くの知見にもとづいて論及される。
 またNHKラジオ『宗教の時間』において「精神分析と仏教」のテーマで放送された永尾の対談を掲載し、さらに宗教学・哲学の分野から岩田文昭による解説も収録した。

おもな目次

はじめに/永尾雄二郎
一、らしくなる 一如実相
二、懺悔 阿闍世コンプレックスよりの解放 知恩報徳
三、純粋感情 無作為の作
四、人それぞれ 特殊の機 女性らしさ
五、自然の道理 自ずからなる 中道体
六、感応療法 円融無碍
七、近代の精神療法
八、歓喜 拝む心 永遠と現在
九、宗教の時間「精神分析と仏教」
《鼎談者》NHKプロデューサー 金光寿郎氏/二〇一七年一月二十九日 NHKラジオ第2放送分
[解題]阿闍世コンプレックスの母親像―その仏教的背景について/岩田文昭
[解説1]古澤平作―永尾雄二郎―金子大榮:精神分析と仏教をめぐって/生田孝
[解説2]日本の精神分析と仏教―一つの関係づけ/クリストファー・ハーディング(訳:生田孝)

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