Michael Balint: Object Relations Pure and Applied

ハロルド・スチュワート著/細澤 仁,筒井亮太

バリント入門
その理論と実践

A5判 264頁 定価(本体4,200円+税) 2018年12月刊



ISBN978-4-7724-1662-7

 マイケル・バリントは、クラインやウィニコット、フェアベアン、ビオンと並び称される対象関係論の嚆矢であり、純粋精神分析と応用精神分析の両分野において成し遂げた仕事には再評価の目が向けられている。
 本書は、精神分析独立派の代表的論者であるハロルド・スチュワートらによって執筆されたバリントについての解説書である。
 第一部では、スチュワートがバリントの主たる四部作および論文「外傷と対象関係」「精神分析訓練と教育分析」を概観し、内外からの批判とその反論を著している。ここでは純粋精神分析についてのバリントの仕事に初めて触れる読者や知識を整理したい中堅に向けて書かれている。とりわけ第六章は、ウィニコットやカーン、サザーランドなどのほかの分析家との対照点や相違点を洗い出し、ボラスのような現代的な臨床家へのつながりを検討しており、この書の白眉と言える論考であろう。第二部では、『6分間対話療法』や『医療における精神療法の技法』などのバリントのほかの書物に触れ、精神分析の他領域での応用を検討している。「日常臨床」への応用場面や一般臨床での訓練についても言及しており、バリントの応用精神分析の仕事についての解説となっている。
 バリントの著作を精読してきた訳者らが、丁寧にわかりやすく訳出し、多数の詳細な訳注を付したバリント読解のための最良のガイドと言えよう。

おもな目次

序文|ハロルド・スチュワート
略歴
イントロダクション
第T部|精神分析 Psychoanalysis

  • 第一章 『一次愛と精神分析技法』(一九五二)
  • 第二章 『人間の快感と行動における問題』(一九五六)
  • 第三章 『スリルと退行』(一九五九)
  • 第四章 『治療論からみた退行:基底欠損の精神分析』(一九六八)
  • 第五章 外傷理論と精神分析の教育
  • 第六章 批判とさらなる発展

第U部|応用精神分析 Applied Psychoanalysis

  • 第七章 応用精神分析
  • 第八章 一般開業医の訓練要綱|ロバート・ゴスリング
  • 第九章 一般開業医の訓練と精神分析|ロバート・ゴスリング
  • 第十章 変化の瞬間|アンドリュー・エルダー

解題|筒井亮太
あとがき|細澤 仁
マイケル・バリント:著作目録

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