信田さよ子編著

実践アディクションアプローチ

A5判 300頁 定価(本体3,200円+税) 2019年3月刊




ISBN978-4-7724-1683-2

 「みずからの臨床を実践しながら,同時にみずからの実践がいかなる時代的布置にあるのかを絶えず検証すること――アディクションアプローチに携わる専門家には,今後この大きな課題が科されていくだろう」(信田さよ子)  1970年代からの依存症臨床は,当事者と専門家の開かれた対話を展開しながら脱医療モデルを志向し,マージナルな「異端の実践」ゆえに独自に進化してきた。アディクションからの回復における自助と共助の可能性の探索が今,専門家と当事者の交差域で新たな実践知を起動する。回復の遺産を継承してきた自助グループカルチャー,専門家・当事者の関係を転換する当事者研究,社会変動と新潮流をとらえようとする理論的考察,そして多彩な臨床現場から創発された援助実践――パラダイムシフトの熱量に突き動かされた専門家と当事者が織り成す「アディクションアプローチ」を総展望する。

おもな目次

1−総論

  • 来たるべきアディクションアプローチ 信田さよ子

2−理論と実践

  • 迫り来る危機を査定する――リスクアセスメント 高野嘉之
  • 動機づけ面接とは――アディクション領域における歴史と意義を中心に 高橋郁絵
  • アディクション問題における認知とその修正――認知行動療法 森田展彰
  • 未来から構成される現在――解決志向アプローチ 田中ひな子
  • 物語を書き換える――ナラティヴアプローチ 野口裕二
  • 共鳴する対話たち――オープンダイアローグ 斎藤 環
  • 暴力とアディクション――DV加害者臨床 高野嘉之
  • 断薬と厳罰にこだわらない第三の道――ハームリダクション 古藤吾郎
  • 分有される傷と経験――ソーシャルワーク的アプローチ 大嶋栄子
  • アディクションと自殺――「生存」を支えるアウトリーチ 奥田由子
  • 「共助」で支える――医療的連携 河西有奈
  • 「身体・生命」を支える――アディクション+HIV支援 石川雅子

3−自助と回復

  • 「回復」の脚本をめぐる統治的批判へ――スマープ化する薬物支援に向けた覚書 平井秀幸
  • 自助グループとつながる支援――重層的連携 岡崎重人
  • 仲間とつながるミーティング――対話の可能性 倉田めば
  • アディクションとしての摂食障害 鶴田桃エ・高橋直樹
  • 傷ついた人々のサンクチュアリ――治療共同体・修復的司法 坂上 香
  • 不自由な回復 上岡陽江
  • 自由で不自由な彼女たちの回復――もつれてほどけるジェンダー問題 上岡陽江
  • 4−アディクションアプローチの新潮流
  • EBPとしてのアディクションアプローチ――国際的な視座から 原田隆之
  • ゲーム依存/ネット依存 三原聡子
  • 性依存症――再生への道 吉岡 隆
  • 窃盗症(クレプトマニア) 竹村道夫
  • ギャンブル依存 蒲生裕司

5−対談

  • [対談]依存と回復の弁証法 信田さよ子・上岡陽江