吉川 悟,赤津玲子,伊東秀章編著

システムズアプローチによるスクールカウンセリング
システム論からみた学校臨床[第2版]

A5判 276頁 定価(本体3,600円+税) 2019年7月刊




ISBN978-4-7724-1707-5

 「教職員による教育の世界」であった学校に,心理臨床家=スクールカウンセラーが配置されて20年以上が経過した。この間,児童・生徒,そして学校が遭遇する問題は地域・ネット社会に広がり,「チームとしての学校」(文部科学省)のなかでスクールカウンセラーは今,連携を重視したバージョンアップが求められている。教育を目的とした組織であり集団である学校は,個人の総和を超えた「システム」を構成し,独自の相互作用をもつ存在である。そこで臨床家が自らの援助を機能させるためには,学校のコミュニケーションパターンとルールを把握し,システムに参加する力量が必要となる。「システムズアプローチ」は,システムのアセスメント・参加・介入を統合的に行う臨床スキルであり,児童・生徒・保護者のカウンセリング,教職員へのコンサルテーションや学内研修,そして多機関連携と,多岐にわたる職務をスクールカウンセラーがこなし,さらに関係者の連携の相乗効果を期待できる,まさに「学校現場のためのアプローチ」である。好評初版を現代の学校環境にあわせて大幅改訂したスクールカウンセラー必携の書,待望の第2版。

おもな目次

はじめに 吉川 悟

  • 序章 システムとコミュニケーション学校の「問題」と「解決」を見えるようにする 高橋規子/吉川 悟

第T部 学校というシステムに参加する―「ジョイニング」について

  • 第1章 学校というシステムの構造小学校・中学校・高等学校の違い 赤津玲子
  • 第2章 ジョイニング学校というシステムとの関係形成 吉川 悟
  • [CASE]学校の見えないルールの把握 田中智之
  • 第3章 ジョイニングの失敗 志田 望
  • [CASE]教育委員会・臨床心理士会とのおつきあい 吉川 悟/大平 厚

第U部 連携のアレンジ組織の橋渡し役として

  • 第1章 学校における連携総論 村上雅彦
  • [CASE]教職員との連携 志田 望
  • 第2章 社会資源との連携は柔軟に・したたかに外部関係機関を見立て,つながる 黒沢幸子/森 俊夫
  • 第3章 医療や行政機関との連携のお作法 吉川 悟
  • 第4章 スクールソーシャルワーカーについて 中野真也
  • [CASE]スクールソーシャルワーカーとの連携 赤津玲子

第V部 コンサルテーションと地域援助―カウンセリング以外の仕事

  • 第1章 コンサルテーション相談できるシステムをつくる 金丸慣美/吉川 悟
  • 第2章 システムズ・コンサルテーションより協働的な取り組みをめざして 吉川 悟/伊東秀章
  • [CASE]システムズ・コンサルテーションの実際 伊東秀章
  • 第3章 集団の問題のとらえ方学級崩壊を例として 中野真也
  • [CASE]学級崩壊への介入 大平 厚
  • 第4章 予防を視野に入れた援助学内での会議と研修 吉川 悟/佐伯ちひろ

第W部 支援の留意点システムズアプローチのバリエーション

  • 第1章 本人に会わない保護者支援 赤津玲子
  • [CASE]本人と面接しない・できないケース 大平 厚
  • 第2章 本人にしか会えない本人支援 赤津玲子
  • [CASE]保護者に会えないケース 渡邊 整
  • 第3章 守秘義務と集団守秘 田中智之
  • 第4章 心理アセスメントの伝え方テストの「力」を援助につなぐ 唐津尚子
  • 第5章 インターネット環境とSNSを視野に入れる 大平 厚/吉川 悟
  • 第6章 教員のエンパワーメント 廣橋諒一