大月康義

語りの底に

臨床文化精神医学

四六判/312頁/定価(本体5,200円+税) 2019年8月




ISBN978-4-7724-1713-6

 「精神と文化は不即不離の関係にある。文化は精神の表現であるとともに、精神は文化に強く規定されている」――医療人類学者アーサー・クラインマン、精神医学者ハリー・S・サリヴァン、哲学者マルティン・ハイデガー、数学者岡潔との対話、生きた精神科臨床の経験と考察、心的外傷、レジリアンス、憑依、非定型精神病との出遭い、治療文化論、地域文化精神医学、診断体系論への根源的な問い。日々繰り広げられる臨床と考察、江口重幸による解題「地貌と流謫」が織り成す、文化精神医学の深層に迫る臨床文化精神医学論考。

おもな目次

第1部 序論

  • クラインマン『ケアをすることの意味』

第2部 サリヴァン精神医学論

  • 鵺的症候のサリヴァン精神医学的考察
  • 社会体の歪みと心的外傷―対話的民族誌とサリヴァンの発生学的精神医学による把握

第3部 治療文化論

  • 治療文化論再考―個人症候群をめぐって
  • 個人症候群再考―ヤップ文化精神医学への回帰
  • レジリアンスと地域文化精神医学
  • 文化精神医学を地域に生かす
  • 非定型精神病とは何か―アイヌのイムからの考察
  • 荻野恒一はどのように文化を精神医学に取り込んだのか

第4章 臨床言語論

  • 憑依の背後にあるもの
  • 語りの地層
  • ハイデガー『言葉への途上』を読む

第5部 結論

  • 岡潔のこと

解題

  • 地貌と流謫/江口重幸

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