大嶋栄子著

生き延びるためのアディクション
嵐の後を生きる「彼女たち」へのソーシャルワーク

A5判 280頁 定価(本体3,600円+税) 2019年10月刊




ISBN978-4-7724-1727-3

 男性依存症者を中心に組み立てられてきたアディクション治療プログラムから排除されてきた女性たちが抱える「問題」は、決してアディクションだけではなかった。夫からの断続的な暴力、家庭の慢性的な貧困、そして社会から降りかかってくるスティグマ……「彼女たち」が次々に持ち込む難題は、援助者が研究・駆使してきた実践アプローチをことごとく覆していく。「なぜうまくいかないのか? 何が問題なのか?」――この難題を解決すべく研究と実践を繰り返すプロセスのなかで到達した脱医療的実践としての支援論は、女性依存症者に共通する四つの嗜癖行動パターンと三つの回復過程モデルを導き出す。そして主宰するNPO法人リカバリーにおいて試みられた「生活支援共同体」の実践は、失われた身体を彼女たちの許へ送り返し、これまで経験したことのなかった親密な関係を生み出していく。あまりに複雑な回復をたどる「彼女たち」、想像を絶する不自由を生きる「彼女たち」、ずっと救われてこなかった「彼女たち」……身体と生活を奪還する「彼女たち」と共に生き延びるためのソーシャルワーク実践論。

おもな目次

序章|生き延びるためのアディクション
第1章|誰も「彼女たち」を救えなかった――脱医療的実践としての支援論
第2章|複雑な「彼女たち」の複雑な回復論――四つのタイプと三つのプロセス
第3章|不自由を生きる「彼女たち」――身体と生活の奪還
第4章|救われてこなかった「彼女たち」の支援論――ソーシャルワークと生活支援共同体
第5章|社会的孤立を超えて――「彼女たち」と共に生き延びるためのソーシャルワーク