What Happened in the Woodshed

ローレンス・R・リッチ著/溝口史剛訳

虐待にさらされる子どもたち
密室に医学のメスを:子ども虐待専門医の日常

A5判 280頁 定価(本体3,800円+税) 2020年1月刊




ISBN978-4-7724-1743-3

 本書は決して難解な医学書ではありませんが、エンターテイメントに重きを置いた爽快な一般書でもありません。そこにあるのは虐待医療の黎明期から現在に至るまで、現場の実務者として第一線で関わり続けてきたリッチー医師を通して語られる圧倒的なリアルな物語です。本書で語られる物語は、日本でもここかしこで生じている問題でもあります。医療者にすらほとんど知られていない子ども虐待専門医の日常を追体験できる本書は、既に虐待が重大事態に発展してしまった子どもと家族を守るために、我々大人が何を学び、何をなすべきか、関係機関が真に協働することがいかに重要であるのかを、気づかせてくれるでしょう。また同時に、地域社会の総合力の欠如の結果生じると言わざるを得ないこのような事例の発生を防ぐために、現場の地道な取り組みこそが重要であることも明示しているのです。

おもな目次

原著緒言
訳者まえがき
現原著者によるまえがき
謝辞
プロローグ:密室で何が起こったのか?
はじめに:虐待にさらされる子どもの隠された日常
第1章 子ども虐待医学の始まりと,新たな専門医制度の創出
第2章 虐待の見逃し
第3章 病気を作り出す親たち
第4章 ネグレクト
第5章 死に至った子ども虐待
第6章 護れなかったハイリスクだった子どもたち
第7章 家族の抱える深い悲しみ
第8章 裁判
第9章 代理受傷
第10章 子どもたちの未来のために
エピローグ:飛竜ちゃんの物語
補足
参考文献
訳者あとがき