畠中宗一編著

共に生きるための人間関係学
「自立」と「つながり」のあり方

A5判 224頁 定価(本体3,200円+税) 2020年3月刊



ISBN978-4-7724-1752-5

 「あいだ」と「つながり」からなる人間関係。
 人間関係を生きることは,他者という異質なものを受容しながら自己との共存を図ることである。それは,葛藤を生きることに等しく,葛藤と折り合う力が求められる。生きやすい人間関係のみを展開していると,葛藤と折り合う力は衰退していく。本書は,生きるために必要な本来の人間関係力を回復させることを目指す。
 第T部では,多様な場面で,本質的理解を志向しつつ,現実には社会のあり方に規定されているという事実性のなかで,人間としての喜怒哀楽を経験しつつ,成熟していくことに焦点を置き,教育・心理,介護・医療,そして企業といったフィールドで具体的な人間関係の実相に焦点を当てる。領域こそ異なるものの,そこで展開されている人間関係が,他者への関心,他者と向き合う,他者性への働きかけ,関係性を生きる,対話による共同主観化等,共通するキーワードに依拠している。
 第U部では,人間関係学の思想的背景を論じる,第T部で展開されている多様な場面における人間関係について,その背後にある人間関係理論を理解されたい読者への道標となっている。

おもな目次

第T部 関係性を生きる

  • 1章 教育・心理
  •  1節 特別支援学級生徒とのかかわり
  •  2節 いじめの対応とグループワーク
  •  3節 学生相談における「他者性」に働きかけることの意味と可能性
  •  4節 スクールカウンセリングで出会う親子の葛藤―「毒親問題」の苦しみからどう回復するか
  • 2章 介護・医療
  •  1節 介護未満の親子関係の葛藤を生きる
  •  2節 患者の意思決定支援と共同主観化
  •  3節 医師−患者関係を生きる
  •  4節 医療現場における実存の可能性
  •  5節 看護教育において教員が問われていること
  • 3章 企  業
  •  1節 企業における人間関係と,その基盤としての人に関心を持つこと
  •  2節 新人研修で見えた企業での人間関係
  •  3節 多様性(ダイバーシティ)の受容と日本の職場
  •  4節 「生きがい」のある職場

第U部 人間関係学の思想的背景

  • 1章 基本的立場
  • 2章 人間関係学の諸問題
  • 3章 人間関係と人間存在との現実
  • 4章 有限な私たちと生きることの探求