『臨床心理学』増刊第5号

実践領域で学ぶ 臨床心理ケーススタディ

B5判 220頁 定価(本体2,400円+税) 2013年8月刊


ISBN978-4-7724-1328-2

 日々の臨床活動において出会う「事例に学ぶ」ということは,いわば心理臨床活動の基本姿勢であり,原点に立ち返って自分自身の臨床を振り返るという原点回帰でもある。また臨床心理ケーススタディは,既成のマニュアルを機械的に実践する営みではなく,日々刻々と変化するクライエントとのカウンセリング経験からつねに新たに学びを得ることでもある。
 「臨床心理ケーススタディ」を掲げた『臨床心理学』第5号は,学びのための研究法でもあり臨床へと還元される臨床知でもあるケーススタディを「臨床の方法」と定義し,経験豊かな執筆陣による豊富な実例をもってその実際を解説する。第1部「座談会_臨床の方法としてのケーススタディ」および第2部「総論_臨床心理ケーススタディの基礎を学ぶ」では,臨床心理ケーススタディの基礎を見直すためのアイデアを提示する。また第3部「臨床心理ケーススタディ@――コアから思考する」は,多方面からのニーズによって多領域化・多職種化しつつある心理職のエリアスタディであり,流動化・多様化・拡大する臨床心理士の活動領域を一望するワーキングガイドとしても読むことができる。第4部「臨床心理ケーススタディA――協働の方法としてのケーススタディ」では,他職種との協働が要請される領域にフォーカスし,多様な視点を学びながら臨床心理活動の充実をはかることができる。

 心理臨床が多領域化する今だからこそ学ぶ,臨床の方法としてのケーススタディ。

おもな目次

Ⅰ 座談会_臨床の方法としてのケーススタディ:村瀬嘉代子・森岡正芳・岩壁 茂
Ⅱ 総論_臨床心理ケーススタディの基礎を学ぶ

    臨床の方法としてのケーススタディ@:岡 昌之
    臨床の方法としてのケーススタディA:成田善弘
    職域の多様化・新しい職域・ケーススタディ:村瀬嘉代子
    学びの場としての事例研究:森岡正芳
    臨床と研究のクロストークをいかに構築するか―研究の方法:岩壁 茂

Ⅲ 臨床心理ケーススタディ@――コアから思考する

    ▼医療
    場面緘黙を呈した一女児への心理療法の検討―精神科/青木省三
    ケースに学ぶということ―精神科成人期の事例から/花村温子
    精神科―老年期・認知症/松田 修
    総合病院小児科領域の心理臨床/阿佐美百合子・小澤美和
    哺育障害乳児の治療経験から自閉症の成り立ちを考える/氏家 武
    終末期医療/服巻 豊

    ▼教育
    実践に学ぶスクールカースト・不登校・ひきこもり問題/徳田仁子
    学級コンサルテーション/伊藤亜矢子
    特別支援教育@―発達障害の子ども・青年支援/村田昌俊
    特別支援教育A―聴覚障害児教育と心理支援/河負タ子・若狭妙子
    大学学生相談/西村優紀美・斎藤清二

    ▼産業
    うつ病予防とうつ病リワーク―プリベンション・ポストベンション/高橋美保
    キャリアデザインとメンタルヘルス/山口智子
    組織コンサルテーション―場・構造・プロセス/廣川 進

    ▼司法・矯正
    離婚する夫婦と子供/伊藤直文
    少年審判/室城隆之
    社会的養護/青島多津子

    ▼福祉
    生活保護受給者支援(貧困)/石川雅子
    社会的養護―発達障害/田中康雄
    社会的養護と育児・家族支援/中島 淳

W 臨床心理ケーススタディA――協働の方法としてのケーススタディ

    心身医療における協働の方法としてのケーススタディ/李 敏子
    生殖医療―不妊カウンセリング/宇津宮隆史・上野桂子
    救命救急医療の場でケーススタディを考える/稲本絵里
    過疎地域心理支援/今井一夫
    リハビリテーション―高次脳機能障害/風間雅江・先崎 章
    教員とのケースカンファレンス/伊藤美奈子
    ケーススタディ―アディクション/今村扶美・松本俊彦
    災害被災地支援/成井香苗