鍋田恭孝著

対人恐怖・醜形恐怖
「他者を恐れ・自らを嫌悪する病い」の心理と病理

オンデマンド版

A5判/254頁/定価(本体5,000円+税) 2013年7月刊


ISBN978-4-7724-9002-3

 人はなぜ他者を恐れ,自らを嫌悪するという苦しみに捉えられるのだろうか。
 対人恐怖,あるいは醜形恐怖と呼ばれる病態はわが国に多く見られることから,これまで多数の研究が積み上げられてきた。しかし,社会や時代に密接な関係のあるこれらの病態に,海外の諸理論,あるいは森田理論などを単純に適応するだけでは,現代日本の患者たちを理解し,有効な治療に導くことは困難であろう。
 著者は内外のあらゆる文献を渉猟しつつ,自身の長年の臨床経験の積み重ねを整理してその心理と病理を明らかにし,さらに詳細な事例の分析をもとに,精神分析に基礎を置きながらさまざまな治療技法を統合した,わが国の実情に即し日常臨床にフィットする統合的総合的アプローチを提唱する。
 「他者との出会い」の病理と治療の具体像を描いた本書は,同時に現代に生きる日本人の心性をも照らし出している。

おもな目次

    第1部 対人恐怖症の心理と病理

      第1章 精神病理学から見た対人恐怖症
      第2章 発達状況からみた対人恐怖症
      第3章 精神分析的精神療法から見た対人恐怖症
      第4章 グループ・ワーク(集団精神療法)から見た対人恐怖症
      第5章 対人恐怖症に対する総合的統合的アプローチ
      第6章 他の病態から見た対人恐怖症

    第2部 醜形恐怖症

      第7章 どのような病態に醜形恐怖症は現われるのか
      第8章 醜形恐怖症の中核群の特徴
      第9章 容姿の美しさを求める心理

    第3部 対人恐怖症・醜形恐怖症に関連するさまざまな問題

      第10章 自己意識から見た対人恐怖症・醜形恐怖症・摂食障害
      第11章 対人恐怖症的悩みは日本人特有のものなのか
      第12章 時代の変化はどのように対人恐怖症の臨床に影響しているか
      第13章 日本的な自己主張と美意識について
      第14章 エピローグ