成田善弘著

心と身体の精神療法

オンデマンド版

A5判 260頁 定価(本体5,500円+税) 2013年10月刊


ISBN978-4-7724-9004-7

「人間は精神であり身体であるのだから,人間とかかわる精神療法家は身体への関心を深めることが必要だと思う。身体を抜きに精神を論じることなどできないのである…」著者あとがきより。

 人間の疾病とは,「こころ」と「からだ」の複雑な相互作用が何らかの不調をきたしたもの,という視点から,著者は,心身症の病理と治療,身体と薬物,がん患者の家族や腎透析患者への心理的ケア,コンサルテーションリエゾン精神医学の提唱など,身体に関する具体的な臨床の知を論じる。また,境界例・神経症の個人精神療法,青年期患者への精神療法の留意点,投影性同一視・逆転移といった精神分析的技法を駆使した治療者と患者の関わりなど,精神療法家の眼で見た心と身体の医学の実際を具体的な症例を交えて語る。心身の統合という新しい精神医学を目指した本書は,精神科医・心理療法士ばかりでなく治療的連携をもつ隣接領域の人々にも必ずや有用な書となろう。

おもな目次

    ■Ⅰ 精神療法と身体

      精神療法家からみた心と身体−心身症における内部と外部
      母子関係からみた心身症
      透析医療と人間観

    ■Ⅱ 精神療法の基本問題

      臨床心理学と医学
      精神療法の失敗について
      青年期患者と接する治療者について
      投影性同一視と逆転移
      母親の病理−母子関係における依存と自立
      スクールカウンセリングについて−精神医学の視点から

    ■Ⅲ 神経症と境界例

      強迫症者の養生
      離人神経症
      境界例が精神医学に問いかけるもの
      境界例の治療と薬物
      境界確立の努力としての「家庭内暴力」

    ■Ⅳ コンサルテーション・リエゾン精神医学

      コンサルテーション・リエゾン精神医学の課題
      がん患者と家族
      腎移植と精神医学
      チーム医療とカンファレンス−精神科医からの提言