土居健郎著

「甘え」理論と精神分析療法(POD版)

A5判/208頁/定価(本体3,800円+税) 2013年11月刊


ISBN978-4-7724-9009-2

『「甘え」の構造』の著者の,その理論の基礎から最新の発展まで,30年にわたる思索の道程を示した論考がここに集成された。
『甘え』は平易な日本語であるためにわが国特有の心性と思われがちであるが,著者は一貫して,それがあらゆる文化に普遍的であり,精神分析の本質の理解とその臨床実践に極めて有用であることを,さまざまな側面から精緻な考察を通して主張している。とりわけ,当初英文で発表され,本書においてあらためて日本語に移された諸論文は,この点を明確に打ち出したものとして興味深い。
 さらに精神分析療法のみならず,すべての精神療法にとってその本質はどこにあるのか,真に治療的であるとはどういうことかなど,基本的な問題について,諸外国の理論や概念と日本語の日常語を誠実に突き合わせながら論じてゆく著者の真摯な姿勢から生まれた各論文は,すべての読者に豊かな示唆を与えてくれるものである。

おもな目次

    序論
    精神分析療法
    精神療法のための諸注意
    治療法・研究法としての精神分析
    隠れん坊としての精神分析
    精神分析の方法論について
    「甘え」概念とその精神分析的意義
    治療学序論
    精神分析の文化的前提
    「甘え」と転移性恋愛
    精神分析療法と文化的背景
    「見立て」の問題性
    「甘え」理論と集団
    アンビバレンスと家族関係