村山正治著

ロジャースをめぐって(POD版)
臨床を生きる発想と方法

A5判 250頁 定価(本体4,500円+税) 2014年3月刊


ISBN978-4-7724-9011-5

 本書は,「カウンセリング」という言葉すらなじみのなかった時代からカール・ロジャースに学び,臨床現場で心理援助を行っていた著者による,スクールカウンセリングや学生相談,エンカウンターグループ,コミュニティへの援助など長年にわたる実践と,それを支える理論をまとめた論集である。
 ロジャースとその方法論であるパーソンセンタード・アプローチの広がりについて描かれた「第1部 カール・ロジャースからの影響とそこからの出発」。多くの事例,具体的な示唆に富む「第2部 臨床実践から学んできたもの」。そして,人間と科学について考察を重ねた「第3部 臨床実践を科学する方法論」。職業・学業としての臨床心理学に思いを馳せ,今後の大学院教育におけるマネジメントを考えた「研究教育経営論」について述べられた「第4部 臨床心理学の発展の方向と大学院生の養成」となっている。本邦初の訪問心理面接の試みとして名高い「登校拒否中学生の心理療法」や,臨床心理学研究を語るときに必ずといっていいほど引用される「臨床心理学研究の方法論」といった著者の名論文を収録した。
 今日の隆盛にいたる心理臨床の基礎を築いた一人でもあり,また近年ではスクールカウンセラー事業を実現化した立役者の一人でもある著者の臨床実践と思想が結実した一冊。多くの臨床家に共感をもってむかえられることだろう。

おもな目次

      序章 私とクライエント中心療法

    第1部 カール・ロジャースからの影響とそこからの出発

      第1章 カール・ロジャースの先見性―『On Becoming a Person』を読む
      第2章 ロジャースの晩年の考え方と実践―静かな革命家カール・ロジャース
      第3章 パーソンセンタード・アプローチ―基本的特徴とこれからの展開

    第2部 臨床実践から学んできたもの

      第4章 登校拒否中学生の心理療法
      第5章 家庭訪問した不登校の事例
      第6章 エンカウンターグループ
      第7章 私のエンカウンターグループ
      第8章 学校コミュニティとカウンセリング
      第9章 いまなぜグループか――チェンジズの試みを中心に
      第10章 ネットワークと臨床心理学

    第3部 臨床実践を科学する方法論

      第11章 臨床心理学研究の方法論――新しい人間の科学をめざして
      第12章 事例研究の意義をめぐって――エンカウンターグループの視点から

    第4部 臨床心理学の発展の方向と大学院生の養成

      第13章 大学院における心理臨床家の養成をめぐって――心理教育相談室経営論
      第14章 臨床心理学の研究発展のためのいくつかの提案メモ
      第15章 心理臨床のさらなる発展をめざして――私の研究教育経営論