村瀬嘉代子著

統合的心理療法の考え方 POD版
心理療法の基礎となるもの

A5判 226頁 定価(本体4,200円+税) 2014年6月刊


ISBN978-4-7724-9013-9

 ……筆者は臨床の実践は,よき帰納法的態度に基づくべきであって,自分が関心を抱く理論や技法に該当する部分だけを現実の中から取り出して,自分の理論や考え方の正当性を主張することは避けたい,と一貫して考えてきた。目前の臨床場面で求められていることは何かについて,模索しながら実践を続けるうちに,緻密に細分化して,理論や技法が発展することも大切だが,それらを会得する努力を継続する一方で,現実の課題に応えるべく原則を知りつつ,それを応用展開し,さらにその課題により適合する方法を創案していくことが大切であると考えてきた。……(本書あとがきより)
 本書を通じて表現されるのは,著者が長年実践してきた「統合的心理療法」の特質と基本的考え方である。クライエントのためのより効果的な心理療法,技法を支えるプロとしてのセラピストの姿勢,心理臨床一般に通じる普遍的原則等,日常臨床での知見をわかりやすく説き,また,臨床実践の積み重ねにより帰納的に構築された著者自身の臨床研究の流れを俯瞰し,総括する内容となっている。すべての心の専門家に贈る著者最新の臨床論文集。

おもな目次

      序章:心理療法の基礎となるもの

    第Ⅰ部 社会の変容と心理療法

      子どもの心理臨床の今日的課題
      子どもと家族への心理的援助の沿革
      内的体験の再生――個人史と心理療法
      こころの糧と子ども時代――生きられた時間の体験
      子どもの父母・家族像と精神保健――一般児童の家族像の10年間の推移並びにさまざまな臨床群の家族像との比較検討
      こころの気づきを生み出すもの,育むものとしての「素直」
      臨床心理学研究施行に際して留意したいこと

    第Ⅱ部 統合的心理療法の実践的展開

      遊戯療法と親面接――その展開の諸相
      不思議・楽しさ・リアリティ――こころの癒しと繋ぐものとしてんのプレイセラピィ
      児童虐待への臨床心理学的援助――個別的にして多面的アプローチ
      非行臨床に求められるもの
      統合的心理療法の立場から考える行動療法
      高齢者心理臨床と死
      「分裂病(統合失調症)の治ったお姉さん」と呼ばれて
      書 評