下坂幸三著

心理療法の常識 POD版

A5判/260頁/定価(本体4,800円+税) 2014年6月刊


ISBN978-4-7724-9014-6

 心理療法に携わるものにとって最低限守るべき「常識」がある。あらゆる治療場面において「常識」に則った方法であれば治療が円滑に進み,患者・家族も治療者もともに楽になれるが,「常識」を欠いた方法では,治療が渋滞し進展が遅れるばかりか,時には患者を傷つけ反治療的にすらなることもあるだろう。
 著者が唱える「心理療法の常識」は,地道な経験の積み重ねの中から臨床に役立つこと,治療に有用なことがらを丹念に集め,それらを精製して織り出したものである。患者へのあいさつの仕方から治療が行き詰まらないための工夫,家族への対応まで,そのいずれもがすでに著者の周辺で追試され,きわめて有効であることが実証されている。どのような治療者であっても簡単に実行できるきわめて当たり前のことが,これまで盲点となって軽んじられてきたのではないかと著者は主張する。
 本書には,大小を問わずそのような「常識」の数々が具体的事例とともに詳述されており,職業としての心理療法家が身につけるべき臨床上の宝が溢れている。

おもな目次

    Ⅰ 心理療法の常識

      心理療法の常識――患者・家族・治療者
      常識的家族療法
      精神療法における身体の問題
      欧米流精神療法を実施するさいの日本語の特性の意義について
      面接記録の取り方
      身体的診察について
      患者と精神科医とに共通する病い
      家族面接について
      親の苦労と子の苦労
      個人面接と家族面接の接点
      患者・家族・治療者の共同による心理療法の効果判定
      精神科外来一般通院療法は「みじかい心理療法」になれるであろうか
      精神療法の側から「精神病理学」を見る
      日常の精神療法と哲学

    Ⅱ 青年期をめぐって

      症例ドーラ
      青年期患者とその家族に対する心理的援助
      青年期の外来の経験から

    Ⅲ 私の歩みを振り返って

      心理療法という道――私の場合――
      今日の日常臨床とフロイトの精神

    Ⅳ 本との出会い