黒川由紀子著

認知症と回想法 POD版

A5判 220頁 定価(本体4,200円+税) 2014年8月刊


ISBN978-4-7724-9015-3

 わが国の高齢化は世界に類を見ない速さで進行し,現在その心のケアが急務となっている。年をとれば記憶力は衰え,認知症では,その低下が病的に著しいものとなる。しかし,認知症のように,たとえ背景に器質障害があっても心理的援助は決して無効ではない。
 本書で紹介される「回想法」は,良き聴き手が高齢者の人間性を尊重し,過去の経験を語ってもらうことをセラピーに生かそうとする心理教育的なアプローチである。老年期に固有な心理的課題,適切な介護とは何か,高齢者の心を理解し,どのようにコミュニケーションをとるか,多くの臨床的知見が,著者の経験を基に詳述されている。臨床心理士,精神科医,介護士,看護師,ソーシャルワーカー等,高齢者の心と身体を支えるすべての専門職に臨床・援助活動の方法と実際を提示した実践書である。

おもな目次

    序 章:高齢者への心理的ケアをはじめるために
    1.老いの場に携わる心理職
    2.ライフサイクルからみた老年期と認知症
    3.老年期の心理療法―面接の基本
    4.高齢者に対する心理的援助の技術
    5.高齢者の心理臨床と家族―病院における家族介護教室
    6.高齢者臨床における回想法
    7.老人病院における回想法グループ―回想法の具体的なすすめ方
    8.外来認知症患者への回想法―回想法の「場」の持つ意味
    9.器質性障害を背景に有する夫婦の事例
    10.高齢者臨床の知恵と工夫―回想法の経験
    11.世代間交流としての回想法
    12.高齢者臨床におけるケア―遊び,笑い,色
    13.ヴァリデーション・セラピー,構造化されない心理的援助―老人福祉施設における心理的ケアの新しい試み
    14.非薬物的介入と認知リハビリテーション―アルツハイマー病の治療
    15.認知症ケアにおける心理職の仕事
    16.チームメイトからみたケアワーカーの仕事
    17.高齢者ケアにかかわる専門職への心理的サポート
    18.サポート・グループと高齢ボランティア―ミシガン大学,ターナー老人医療クリニックにおける精神保健活動
    終章:認知症の方への話し方,気持の伝え方

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