傳田健三著

子どもの遊びと心の治療
精神療法における非言語的アプローチ

A5判/240頁/定価(本体4,500円+税) 2015年9月刊


ISBN978-4-7724-9024-5

 児童・青年期の事例においては,言語的能力の発達が不十分なため,自己の心理的状況を表現することが困難な場合が多く,そのために種々の非言語的アプローチが試みられてきた。ここに述べる非言語的アプローチとは,ごく一般的な精神療法を基盤としながら治療者−患者関係を深く安定させ,双方がさまざまな感情や葛藤を認知,自覚することを促すための技法であり,具体的には,箱庭療法,描画療法,枠づけ法,風景構成法,なぐり描き法,誘発線法,スクィグル法,コラージュ療法等を指す。
 本書は全編症例検討を中心に構成されている。著者は自身の臨床経験から,非言語的アプローチの精神療法的意義を探り,非言語的アプローチが治療者の自己覚知を高め主体性を確立するとともに,子どもとコミュニケーションをもつための有効な方法であることを明らかにする。読者はこれら非言語的アプローチを学ぶことにより,精神療法面接の技量を確実に増強できるであろう。

おもな目次

    序 論

    第Ⅰ部 非言語的アプローチの基礎

      第1章 精神療法的アプローチの基本的な考え方
      第2章 非言語的アプローチにおいて何が表現されるのか
      第3章 児童・青年期症例の非言語的アプローチ

    第Ⅱ部 非言語的アプローチの実践

      第4章 非言語的アプローチを始める前に
      第5章 症例検討
        症例A:手指の皮膚をかじる男子への箱庭療法
        症例B:家庭内暴力男子への誘発線法(きっかけ法)の導入
        症例C:不登校・家庭内暴力男子
        症例D:前青年期の分離不安女子
        症例E:不登校男子へのスクィグル法
      第6章 疾患別のアプローチ
        強迫神経症に対する箱庭療法
        神経性無食欲症に対する非言語的アプローチ
      第7章 非言語的アプローチの精神療法的意義