室伏君士著

痴呆老人への対応と介護 POD版

A5判/280頁/定価(本体5,500円+税) 2015年10月刊


ISBN978-4-7724-9025-2

 痴呆の治療は,臨床的,精神薬理学的にさしたる進歩がみられないのが現状である。痴呆が不治であり,しだいに重度に向かうことは,冷厳な現実となっている。そこで,重要なことは疾患よりも人間に焦点を当てて,対応し,介護することになる。これが本書に一貫して流れる著者の哲学である。
 痴呆老人への対応と介護とは,血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆が示す言動の違いを把握することもさることながら,彼らの生活能力を維持・回復・向上させるためのリハビリテーションとメンタルケアを続けていくことも重要になる。そこでは,著者が説く〈よい人間関係を築いて安心させ,病院が生きる頼りの拠り所となるように仕向けること〉が肝心となろう。
 こうした趣旨で書かれている本書は,診療する医師だけでなく,リハビリを担当するコ・メディカルスタッフ,および痴呆老人を抱える家族にも役に立つ内容を備えている。

おもな目次

序章 痴呆を持った老人への接近する立場と態度──人間学的側面から──
第1章 痴呆および痴呆患者の医学的な一般知識──精神医学的視点から──
第2章 痴呆老人の臨床症状の意義と理解──精神医学的・現象学的──
第3章 痴呆老人の生き方の理解と,それによる対応と援助──人間的アプローチ──
第4章 痴呆老人への介護
第5章 痴呆老人へのリハビリテーション
第6章 老年期痴呆のターミナルケア
第7章 痴呆老人の人権──処遇場面での問題点──
第8章 痴呆老人への地域ケアシステム