中根 晃著

改訂増補 自閉症研究 POD版

A5判/312頁/定価(本体6,500円+税) 2015年10月刊


ISBN978-4-7724-9027-6

 自閉症理解に新しい動きが見られたとき、本書初版はまさに従来の方向を180度転換させ、多くの自閉症にまつわる神話や物語を排除し、科学的研究と治療の扉をあける指導的位置を占めた。
 いまだに心理因説を治療の基礎とする謬見が散在する以上、自閉症の本質を中枢神経機能の障害による言語・知覚の学習能力障害とする立場から、「自閉」という言葉を用いず自閉症を描き従来の研究に一線を画した点で、その意義は少しも減じるものではないが、本書の主張を裏づける多くの報告があらわれ、新たな知見が集積されたことから、このたび大幅な増補改訂がなされることとなった。
 つねに臨床に即し、多くの症例や自身の経験を通して、古今の研究から具体的症状、鑑別診断、生物学的研究さらには障害の人間学的・現象学的様相をまで述べてきた著者は、新たな進展、すなわち、基礎障害の一層の解明と年長自閉症児の研究から、従来の心理的・楽観的な治療にかわる、具体的・科学的かつ現実的な治療プログラムを展開する。