Traite des hallucinations

アンリ・エー著/宮本忠雄,小見山実監訳/古川冬彦,阿部隆明訳

幻覚V POD版
「線型」病態発生論

A5判/290頁/定価(本体8,000円+税) 2017年3月刊


ISBN978-4-7724-9032-0

 第V巻は,幻覚の機械論モデルと力動論モデルを扱っている。
 エーは,機械論・力動論ともに,幻覚を心象の強化というメカニズムでとらえ,その原因を異常な感覚刺激,あるいは欲動とすることで,あまりに単純な原因と結果の結びつきを予測していると批判しているのである。本巻でエーは,機械論つまり器質論と力動論それぞれの利点・欠点を論じており,このあといよいよ,彼の理論の中核そして統合発展ともいうべき,「器質力動論(第W・X巻)」へとつながってゆく。

おもな目次

機械論的モデル

  • 基本的概念
  • 感覚ニューロンの幻覚発生的興奮という理論の発展
  • 局在性「刺激性」傷害および電気「興奮」実験の幻覚発生効果についての批判的紹介
  • 幻覚性妄想病への機械主義理論の適用
  • 幻覚および幻覚性精神病の汎化機械理論
  • 幻覚および幻覚性精神病の要素的発生に関する限定的機械主義理論
  • 構築モデルへの発展

精神力動論モデル(精神分析的考想)

  • 情動の力(無意識)と現実の体系(意識存在)に関する予備的考察
  • A幻覚を通じて無意識が発現する証拠
  • B幻覚の必要十分条件としての無意識の投影の理論
  • C欲望の幻覚への投影という線型モデルを補足する必要性。純粋な心因論を根本的に修正する必要性