鍋田恭孝編

思春期臨床の考え方・すすめ方 POD版
新たなる視点・新たなるアプローチ

A5判 269頁 定価(本体4,800円+税) 2018年7月刊



ISBN978-4-7724-9038-2

 本書は,思春期という特殊な時期について,また思春期に見られる個々の病理について,最新研究や報告を踏まえて,現在どのような視点から考えられ,どのような治療的アプローチがなされるようになったかを16人の経験豊かな臨床家が論じたものである。
 本書ではまず,従来から思春期臨床の中心テーマでありつづける境界性パーソナリティ障害・摂食障害をはじめ,わが国の思春期に特徴的な不登校・ひきこもり,そして社会不安障害(social anxiety disorder ; SAD)の視点から捉え直されつつある対人恐怖症などの現在的な問題を取り上げる。つづいて,近年注目を集めている思春期のうつ病,発達障害,身体醜形恐怖,解離性障害などの新たな問題に触れ,最終部ではますます深刻化する自傷,自殺,性的非行など,行動化の問題にも考察を加えた。
 また,それらの疾患に対する,認知行動療法,心理教育などの近年登場した新たな治療的アプローチを,豊富な臨床例を通して解説しているのも本書のひとつの特徴である。
 思春期臨床で出会う重要な疾患・病理についての基礎理論と治療的アプローチを網羅した本書は,医師・心理職を問わず間違いなく臨床現場で役立つ1冊である。

おもな目次

序 論――思春期という時代・思春期危機の意味:鍋田恭孝
第1部 思春期の病理への新たなる視点と展開

  • 1.思春期臨床と精神療法的アプローチの新たなる展開:鍋田恭孝
  • 2.アタッチメントと思春期臨床:林もも子
  • 3.思春期の病理に対する薬物療法の今日的状況:長峯正典・野村総一郎
  • 4.前頭葉機能からみた思春期の病理――とくに境界性パーソナリティ障害について:村松太郎

第2部 思春期の主要な病理に対する新たなるアプローチ

  • 1.不登校・ひきこもりの現状と対応――side-by-side・群れ体験的アプローチ:鍋田恭孝
  • 2.思春期の境界性パーソナリティ障害――外来・入院を含む総合的アプローチ:小羽俊士
  • 3.摂食障害の心理教育的治療:生野照子
  • 4.社会不安障害・摂食障害・境界性パーソナリティ障害――認知行動療法によるアプローチの効用と限界:伊藤絵美
  • 5.対人恐怖症の今日的問題――SADという新たなる視点とアプローチ:鍋田恭孝
  • 6.思春期の統合失調症に対する最近の臨床:井上洋一

第3部 最近問題化している思春期の病理

  • 1.解離性同一性障害へのアプローチ:一丸藤太郎
  • 2.容姿の美醜に関する臨床の現在――身体醜形恐障害(醜形恐怖症)を中心に:鍋田恭孝
  • 3.思春期のうつ病――新しい類型とアプローチ:傳田健三
  • 4.発達障害の思春期における診断と対応:三上克央・松本英夫

第4部 古くて新しい思春期の重大な問題――行動化

  • 1.思春期の自殺の現状と対策:高橋祥友
  • 2.自傷行為の理解と対応:松本俊彦
  • 3.性的非行――その理解と対策:堀口雅子