フロイトから100年に

山中 康裕(京都大学)

 このたび,『臨床心理学』を発刊することになった。関係者としてとても嬉しいことである。ことに,それが,2000年の年内に発行できそうだということに,殊更の感慨を持つのは筆者だけであろうか? それは,ちょうど100年前,かのフロイトが,そののち100年の精神分析の隆盛のもととなった,“Traumdeutungen”を出したのを思い出しているからだ。まさに新しい世紀に向かって,われわれの新しい雑誌が旅立つのである。
 いまや,9,000人を越す,臨床心理の学徒ないしは,心理臨床家のために,いま一肌脱ぎたいと考えている。私は,たまたま学会誌の編集委員長を兼ねているが,学会誌とは一味違った,読者との心の通う雑誌にしていきたい,と考えている。つまり,Letters to the editorsの欄において,活発な建設的討論の展開できるものを構想しているのである。とくに,この学問の21世紀の担い手である,若い読者たちに期待したいと思う。